――そんな本谷さんですけど、第一印象はどんなでした?
(吉)第一印象は、だって役者のときだもんね。
(成)うん。「1989」のとき。初日に遅刻したっていう印象(笑)。
(吉)あと一回、稽古場来なかったよね(笑)本谷有希子はつむじを曲げて来なかったのかな、と。
(成)そう、こなかった!
――裏とかも垣間見てたりするんですか?
(吉)でもなんかねえ、嘘つかないからねえ。嘘ついてても嘘ですってのを見せるからね。なんかねえ取り繕うって感覚があんまないから。
(成)ああうん。悪意が無い感じだよね。
――劇団、本谷有希子の作品はお二人とも見てるんですよね。作品の印象と本谷さん本人の印象とはズレてたりするんですか?
(吉)いや、そんなことはないよ。
(成)少なくとも作家さんだから意外としっかりしてる人なんだなってね。なんかね「1989」の時にね、時間にルーズな人っていうふうに思ってたから。(「ちゃんと毎日15分前に入ってたよ!」と向こうで叫ぶ本谷。)
(吉)あ。あとね、小屋(劇場)に入った時にね「場当たり(照明、音響等とのきっかけチェック)って何ですか?」って聞いててね、この人ほんとに演劇の人かなあって思った(笑)
(成)劇団本谷では場当たりしないんだね。(「するよ!」と叫ぶ本谷。)
(吉)初めはさ、だから役者のイメージで、あと一番若い人っていう感じだったんだけど。
(成)あの時はね(本谷が)好きにやってもいいっていう立場でねなんかキャっキャっキャっキャしてたの。でも今はねすごいしっかりしてるって感じる。
主宰・本谷について語る二人。渋い表情。でも左の人は明らかに違うことを
考えて……。